
XRPとビットコインの違いに関する長年の議論が再燃し、Rippleの最高技術責任者(CTO)であるDavid Schwartz氏が、供給量を根拠とする比較が誤解を招くものであると指摘した。
Schwartz氏の発言は、「ビットコインの希少性がXRPに対して優位性を持つ」という主張に対するものであり、仮想通貨をどのように評価すべきかについての広範な議論を呼び起こしている。
この議論は、あるXRP支持者がRippleのCEOであるBrad Garlinghouse氏やCTOのSchwartz氏は、XRPの購入を直接推奨したことがないと指摘したことから始まった。一方で、ビットコイン支持者であるMicroStrategyのMichael Saylor氏などは、ビットコインを「価値の保存手段」として積極的に宣伝している。
CryptoApostle氏は、ビットコインの希少性がXRPよりも優位性を持つ要因であると主張した。しかし、Schwartz氏はこの見解に異を唱え、供給量のみに基づいた比較は誤解を招くと指摘した。
There’s enough XRP for everyone on the planet to have plenty. Bitcoin has a significantly lower cap. There no harm in pointing people in the right direction. XRP and Bitcoin are NOT equal.
— CryptoApostle (@CryptoApostle) February 16, 2025
また、CryptoApostle氏は、ビットコインの供給量が2,100万枚に制限されているのに対し、XRPの供給量は1,000億枚と大きく異なることを指摘し、これがビットコインの「デジタルゴールド」としての地位を確立する要因になっていると主張した。
Schwartz氏は、仮想通貨を供給量や単価だけで比較するのは誤りであるとし、資産の評価には時価総額、分割単位、ユーティリティなどを考慮すべきだと強調した。
「1コインあたりの価格を比較するのは、供給量を単位で測ることと同じく無意味だ」とSchwartz氏は述べ、「インチとマイルで距離を測るようなもの」と例えた。また、XRPは「ドロップ」と呼ばれる小さな単位に分割可能であり、ビットコインの「サトシ」と同じように機能すると指摘した。
That makes no sense. What units would you measure the supply cap in?
— David "JoelKatz" Schwartz (@JoelKatz) February 18, 2025
しかし、CryptoApostle氏は「一般の投資家は全体の供給量ではなく、1コインあたりの価格で仮想通貨を判断する傾向がある」と反論した。また、Rippleの経営陣がXRPを直接宣伝しない一方で、銀行や金融機関との提携によって間接的にXRPを市場に普及させているとも指摘した。
Schwartz氏が強調したもう一つの問題点は、「XRPの単価が安いため、ビットコインよりも投資価値があると考えるのは誤り」という点である。この誤解は、市場の経済的要因を無視し、資産の本質的な価値を見誤るリスクがあると指摘した。
「市場で流通する全てのコインを合計した時価総額の方が、仮想通貨の価値を測る上でより正確な指標である」とSchwartz氏は述べた。多くの投資初心者は**「コインの価格」だけに目を向け、全体の供給量や市場規模を考慮しない**ため、誤った投資判断を下す可能性がある。
Right. You can't compare the prices for "one coin" for precisely the same reason you can't compare the supplies measured in "number of coins". Both those things are confusing misinformation of exactly the same kind and we should call it out.
— David "JoelKatz" Schwartz (@JoelKatz) February 22, 2025
XRPの価値に関する議論が続く中、仮想通貨市場ではいくつかの重要な要素がXRPの評価に影響を与えている。
Rippleと米証券取引委員会(SEC)の法的闘争
SECとの訴訟が続いており、規制の不透明さがXRPの市場価格に影響を与えている。
XRP上場投資信託(ETF)の可能性
SECが仮想通貨ETFの規制を見直す中、XRPのETFが承認される可能性が市場で議論されている。もし実現すれば、XRPの市場価値はさらに高まるだろう。
価格のボラティリティ
XRPは最近の売り圧力の影響で価格が一時低下したものの、2.50ドルを回復し、再び上昇基調に入っている。しかし、仮想通貨市場全体の影響を受け、依然として価格変動が激しい状態が続いている。
Schwartz氏の最新の発言は、仮想通貨市場において単純な比較が誤解を招く可能性があることを改めて示している。投資家がXRP、ビットコイン、または他の仮想通貨を評価する際は、時価総額、分割単位、実際のユースケース、ネットワークの採用状況など、多面的な要素を考慮する必要がある。
仮想通貨市場が成熟するにつれ、このような議論は投資家の意思決定をより賢明なものにするための重要な指標となる。
現在の市場状況を考えると、ビットコインは依然として「価値の保存手段」として最も確立された資産であり、多くの機関投資家がETFを通じてビットコインを採用している。一方で、XRPはより劇的な上昇の可能性を秘めており、XRPのスポットETFが承認される、またはトランプ政権がRippleの「アメリカ発の仮想通貨」として支持する動きを見せれば、XRPの価値はさらに高まる可能性がある。
市場での成功を狙う投資家は、両方の資産をバランスよく保有する戦略が有効かもしれない。
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