
USDTとは、時価総額でビットコインやイーサリアムに次いで3位に位置する仮想通貨で、世界初のステーブルコインとして知られています。その最大の特徴は、米ドルと連動し、価値の安定性を提供する点です。「ブロックチェーン上での法定通貨」のように、価格の変動が少ないため、安定した取引が可能です。
しかし、「ビットコインとUSDTの違いがわからない」「USDT・ステーブルコインの購入方法が知りたい」といった疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。そこで本記事では、USDTとは何か、その特徴、購入方法や日本円への換金方法について詳しく解説していきます。
USDT(テザー/テザーコイン)とは、Tether Limited社が2015年2月に発行を開始した、世界初のステーブルコインです。米ドルと連動して「1USDT=1USD」を維持するように設計されています。価格の変動が激しい市場でもその価値は安定しているのが特徴です。
スイスのルガーノ市では、USDTを用いて公共料金の支払いができるなど、事実上法定通貨としての役割を果たしています。よって、USDTは仮想通貨の中でも特に信頼性と安全性が高いコインとされています。
USDTの概要は以下の通りです。
名称 | Tether(テザー/テザーコイン) |
ティッカーシンボル | USDT |
発行元 | Tether Limited |
価格 | *149円/USDT(1ドル=149円) |
時価総額 | *約1,424億ドル |
時価総額ランキング | *3位 |
*CoinMarketCap調べ(2025年3月4日執筆時点)
USDTに似た特徴を持つコインとして、USDC(USD Coin)があります。USDCも米ドルと連動するステーブルコインで、「1USDC=1USD」を維持するように設計されています。よく混同されがちですが、USDTとUSDCは異なる点があるため、その違いをしっかり理解しておくことが重要です。
銘柄名 | USDT(テザー/テザーコイン) | USDC(USD Coin/USDコイン) |
---|---|---|
発行元 | Tether Limited | CircleとCoinbaseが共同で発行 |
設立年 | 2015年 | 2018年 |
開発目的 | ブロックチェーン上で法定通貨として機能すること | 監査可能で透明なデジタルドルを提供すること |
時価総額 | 約1,424億ドル | 約562億ドル |
時価総額ランキング | 3位 | 7位 |
裏付資産 | 主に現金及び現金等貨物、その他の短期預金、コマーシャルペーパー | 主に現金および現金同等物、国外の銀行が発行するCD(Certificates of Deposit)、米国債 |
USDTとUSDCの最も大きな違いは、運営会社の透明性にあります。USDTは過去に、十分な裏付け資産があるのかについて疑問が呈され、情報開示を求められたことがあります。その際、開示請求を拒否し、最終的には開示したものの、一時的に信頼を大きく失いました。
一方、USDCは法規制を遵守し、運営に関する情報を明確に公開しています。市場規模ではUSDTが優れていますが、USDCの方がより安全で信頼性の高い資産と言えるでしょう。
ここからは、USDT(テザー/テザーコイン)が有する以下3つの特徴について詳しく解説します。
上記についてそれぞれ詳しく見ていきましょう。
テザーとは、米ドルと連動する世界初のステーブルコインです。ビットコインやイーサリアムなどの他の仮想通貨に比べて、価値の安定性が際立っています。ステーブルコインとは、法定通貨やコモディティなど、他の「モノ」の価格に連動するように設計され、価格の安定を目指す仮想通貨を指します。ステーブルコインには、以下の4種類があります。
種類 | 特徴 | 具体例 |
---|---|---|
法定通貨担保型 | 円やドル、ユーロなどの法定通貨と連動する仮想通貨 | テザー、USDC、バイナンスUSDなど |
仮想通貨担保型 | 他の仮想通貨に連動する仮想通貨 | DAI、SUSDなど |
無担保型(アルゴリズム型) | あらかじめ設定されたアルゴリズムが、市場に応じて自動的にコインの供給量をコントロールする | フラックス(FRAX)、ニュートリノUSD(USDN)、マジック・インターネット・マネー(MIM) |
コモディティ(商品)型 | 金や銀などの物理的資産(コモディティ)と連動する仮想通貨 | PAX Gold、ZPG(ジパングコイン) |
USDTは、ERC20ネットワークだけでなく、複数のネットワークで利用できる点が特徴です。多くの仮想通貨は一つのネットワーク上でのみ機能するため、異なるネットワーク間での直接的な交換はできません。一方でUSDTの送金ネットワークは以下の複数に対応しており、異なるネットワーク間でも取引が可能です。
上で示したように、USDTは多くのチェーンタイプに対応しているため、柔軟に取引を行うことが可能です。なお、異なるネットワークへUSDTを送金する際は、送金手数料がかかるため、余分なUSDTを用意しておきましょう。
USDTは、多くの仮想通貨取引所で基軸通貨として扱われています。取引可能な通貨ペアが豊富で、USDTを保持していれば他の通貨への変換が簡単に行える点が特徴です。
さらに、2022年に大きな話題となったMove to Earnプロジェクト「ステップン(STEPN)」や、急速に成長しているNFTの分野でも、USDTは積極的に活用されています。例えば、世界最大級のNFTマーケットプレイスであるBybit NFTでは、USDTを使ってNFTを購入することができます。
時価総額第1位のビットコインは、世界初の中央管理者を持たない非中央集権型の通貨として登場し、世界を驚かせました。その後、多くの仮想通貨も非中央集権的な仕組みで運営されています。
一方、テザーとはTether Limited社が管理する中央集権型の仮想通貨です。中央集権体制を採ることで、発行枚数を調整し、米ドルとの連動を実現しています。仮想通貨でありながら、法定通貨のような価格の安定性を確保するために、USDTは中央集権的な管理体制を採用しているのです。
USDTの将来性については、Tether Limitedのホワイトペーパーを確認することで把握できます。ホワイトペーパーでは、主に以下の2つの機能実装が紹介されています。
それぞれの観点から、USDTの将来性を探っていきましょう。
USDTは、スマートコントラクトの導入を通じて、安全性と利便性の向上を図っています。スマートコントラクトとは、事前に定められた条件を満たすことで、契約が自動的に実行される仕組みです。人の介入を排除することで、契約や取引の効率化が進み、改ざんや不正の防止にも繋がります。
安全性と効率性が向上するだけでなく、仲介手数料が削減され、低コストでの運用が可能になるという利点もあります。スマートコントラクトの実装が進めば、利便性がさらに向上し、USDTはより多くの取引所で基軸通貨として採用されることが期待されます。
USDTは、マルチシグの導入により、安全性の向上を目指しています。マルチシグとは、「マルチシグネチャー」の略で、直訳すると「複数の署名」を意味します。仮想通貨の売買や送金時に複数の秘密鍵が必要になるため、セキュリティの強化が図られます。
現在、USDTはシングルシグ(単一署名)で取引が行われていますが、これでは一つの秘密鍵が盗まれると取引所に保管されたUSDTを不正に引き出されるリスクがあります。マルチシグでは「2/3」といった形式で、必要な署名の数が示されます。これは、設定された3つの秘密鍵のうち、2つが必要という意味で、仮に1つの鍵が盗まれてもハッキングは非常に難しくなります。マルチシグが実装されれば、USDTのセキュリティは大幅に強化され、さらに安心して利用できるようになるでしょう。
2025年の仮想通貨バブルで利益を最大化するために、USDTを保有することにはいくつかの重要な利点があります。ここでは、その中でも特に注目すべき2つのメリットを紹介します。
上記メリットについて、詳しく説明していきます。
USDTの最大のメリットは、その価格の安定性です。仮想通貨市場は非常に価格変動が激しく、専門家でさえ相場を正確に予測するのが難しい状況です。特にビットコイン半減期前後では、市場が大きく動きます。このような相場はビットコイン長者を生む一方、数日で数十%もの価値が下がるケースも少なくありません。
しかし、USDTは米ドルに連動するステーブルコインであるため、価格が比較的安定しています。基本的に「1USDT = 1USD」を維持するように市場が調整されるため、その価値はほとんど変動しません。過去には、別のステーブルコイン「テラUSD」の急落をきっかけに、仮想通貨市場全体が大きな混乱に陥った際、USDTの価格も一時「1USDT = 0.9455USD」まで下落したことがありましたが、それは一時的な現象であり、すぐに回復しました。
市場の混乱時に一時的な下落があったとしても、USDTの下落幅は他の仮想通貨と比較しても非常に小さいことが強みです。仮想通貨取引を始めたいが暴落が不安な人にとって、USDTは選択肢として魅力的と言えるでしょう。
USDTは、先に述べた通り、米ドルに連動したペッグ通貨であり、その価値が安定していることが特徴の仮想通貨です。この特性により、USDTは多くの取引所で基軸通貨として使用されています。そのため、草コイン投資などで利益を得た場合、USDTに交換することで実質的に利益を確定させることが可能です。
USDTはその安定性が理由で、ブロックチェーン技術の普及とともに、さまざまな分野での活用が期待される通貨と言えるでしょう。
メリットだけでなく、USDTの危険性やデメリットも理解しておくことが重要です。USDTの主なデメリットは以下の2点です。
それぞれについて、詳しく説明していきます。
USDTは、Tether Limitedによって発行・管理される中央集権型の仮想通貨です。USDTのような中央集権型仮想通貨に共通する最大の懸念は、カウンターパーティ・リスクです。カウンターパーティ・リスクとは、取引先(カウンターパーティ)が不正行為や破産などを起こすことで、その通貨の価値が失われるリスクを指します。
非中央集権型の仮想通貨では、管理組織が存在せず、各個人が管理責任を負うため、システム障害や資産の不正流用といったリスクは低減されます。しかし、中央集権型では、どうしても管理者の信用や評判が価格に影響を与えてしまうため、この点がUSDTの危険性となります。
USDTはステーブルコインであり、投資先として大きな利益を期待することは難しいと言えます。そもそもUSDTの開発目的は「ブロックチェーン上の法定通貨」としての機能を果たすことであり、利益を追求するために作られたわけではありません。
そのため、仮想通貨で億り人を目指すには適していない点に注意が必要です。もし大きな利益を狙うのであれば、ミームコイン投資が適しているでしょう。柴犬コインやエルフトークンなどのミームコインは、将来的な価格上昇が期待されています。
ここまで読んで、USDTがどのような仮想通貨かは理解できたものの、実際に自分に必要かどうかはまだわからないという方もいるかもしれません。仮想通貨はその目的に応じて保有するかどうかが決まるため、USDTを持つべきかどうかも人それぞれです。ここでは、USDTを保有するべき人の特徴について説明します。
以下の2つのタイプに当てはまる方は、USDTを保有することを検討してみても良いかもしれません。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
USDTはその特性から、価格が安定しており、さまざまな取引所で基軸通貨として利用されています。これにより、他の仮想通貨への交換が容易になります。例えば、プレセール仮想通貨投資などで得た利益をUSDTに変換して利確することが可能です。
他の通貨で利益を上げたまま保有していると、その価値が再び下がるリスクがありますが、USDTに変えることで、そのリスクを避けることができます。USDTは投資の利益を得るための通貨ではなく、利益を確保するために活用できる通貨なのです。
仮想通貨市場は、価格変動が非常に激しいことで知られています。ビットコインの価格やイーサリアム、その他のアルトコインは、1日で10%以上の価格変動を見せることも珍しくありません。そのため、仮想通貨に興味があっても、市場の動向を読み切れず、手を出しづらいと感じている人も多いようです。
一方、USDTは米ドルと連動したステーブルコインで、価格が安定しています。1000倍上昇仮想通貨のような大きなリターンを狙うことは難しいですが、仮想通貨取引を始めたい方にはぴったりの通貨です。初心者の方はまずUSDTで取引を始め、その後、慣れてきたタイミングで新規上場予定の仮想通貨などに投資することもできるため、とても便利な選択肢となるでしょう。
現在、USDTは国内取引所では取り扱われておりません。国内取引所で購入したビットコインなどを海外取引所に送金し、その後USDTを購入するという手順が必要です。そのため、ビットコインの買い方に不安を覚える方やUSDTアドレスの作り方がわからない初心者の方は、簡単にUSDTを購入できる「Best Wallet」の利用を検討すると良いでしょう。
Best Wallet(ベストウォレット)は、USDTを安全に保管できるウォレットで、おすすめの選択肢の一つです。この仮想通貨ウォレットの特徴は以下の通りです。
さらに注目すべきは、アプリ内にある「トークンローンチパッド」機能です。同機能を通じてICO仮想通貨購入ができる点など、ハイリターンが期待できる投資も可能です。Best Walletを使ったUSDTの購入方法は、以下の3つの簡単なステップで完了します。
ここでは、USDTを日本円に換金する方法を4つご紹介します。
上記のUSDTの換金方法について、詳しく見ていきましょう。
USDTを日本円に換金できる取引所を利用しましょう。下記の取引所で口座を開設し、USDTを送金・売却してください。
注文が約定すると、取引所の口座に日本円が入金されるので、あとは希望する銀行口座に出金申請を行うだけです。なお、USDTは換金時に税金がかかるので、あらかじめ課税額等を確認しておきましょう。
Bitrefillなどのサービスを使って、USDTをギフトカードに交換する方法もあります。Bitrefillでは、以下のギフトカードに交換可能です。
なお、ギフトカードは物理的なカードではなく、メールでコードが送られる形式で受け取ることができます。
P2P取引(ユーザー同士の直接取引)で、USDTを日本円に換金することもできます。P2P取引が可能なプラットフォームの一例として、Paxfulが挙げられます。取引したい数量を選び、検索するとオファーが表示されるので、条件が良い取引相手を見つけて交換を実行しましょう。
なお、P2P取引ではテザーを円に交換できるだけではありません。ドル建ての銀行口座をお持ちの方は、P2P取引を通じてUSDTをドルに換金することも可能です。
仮想通貨を日本円に両替して現金を引き出せるATMを使う方法もあります。日本で利用可能なものとして、ガイア社の仮想通貨両替機「BTM」があります。BTMは東京と大阪に設置されており、専用カードを使用して仮想通貨を送金すれば、現金を受け取ることができます。銀行を介さずに現金を直接受け取れる点が大きなメリットです。
現時点で対応している仮想通貨は以下の5種類です。
Best Wallet内でUSDTをビットコインに変えるなどして、他の仮想通貨に交換後、ATMから日本円に換金することができます。
本記事では、USDTの特徴、購入方法、そして日本円への換金方法について詳しく解説しました。USDTは世界初のステーブルコインであり、「1USDT = 1USD」を維持することを目的に設計されています。法定通貨と同等の価値を担保するUSDTは、価格の急激な上昇を狙うような仮想通貨ではありません。しかし、大きな損失を被るリスクが低く、安全性の高い資産といえます。
さらに、USDTを元手に、当メディアが厳選した信頼性の高いおすすめ仮想通貨の購入も可能です。USDTを保有して損をすることはほとんどないでしょう。また、今後はマルチシグやスマートコントラクトなどの新機能が実装予定で、これらが実現すれば、USDTの仮想通貨市場における影響力はさらに強化されるでしょう。
本記事を読んでUSDTに投資したくなった方は、簡単にUSDTを購入できる「Best Wallet」を利用して、今後の仮想通貨投資に役立てると良いでしょう。
USDT(テザー/テザーコイン)とは、Tether Limited社を中央管理者とする「1USDT = 1USD」を保つように設計された世界初のステーブルコインです。
本稿執筆時点(2025年3月4日)のレートだと、1USDTを日本円に換金すると149円になります。
USDTを購入できる取引所は、日本国内にまだ存在していません。そこで、おすすめするUSDTの買い方はBest Walletを利用することです。以下の手順で取引が可能です。
国内取引所でUSDTは取り扱っていないため、以下の方法でUSDTを日本円に換金する必要があります。
価格変動が激しい市場において、米ドルと連動して「1USDT = 1ドル」を保つように設計されているUSDTは比較的安全な仮想通貨と言えるでしょう。一方で中央集権型の仮想通貨であるため、発行元のTether Limitedの信頼性や評判に大きく依存している点には注意が必要です。
USDTは、ビットフライヤーやコインチェックなどの国内取引所では取り扱っておりません。取引所でUSDTを購入したい場合は、世界最大手取引所バイナンスでのUSDT取引を検討すると良いでしょう。バイナンスでUSDTを両替する方法としては、「バイナンスコンバート」というシンプルで簡単な注文方法があります。また、バイナンスが日本人ユーザー向けに展開している「バイナンスジャパン」でも、USDTの取引が可能です。
以下の手順でバイビット(Bybit)でUSDTを購入する事が可能です。
この文章は役に立ちましたか?