XRPレジャーが一時停止|3ヶ月以内に2度目の障害

Web3.0企業リップル社の開発する「XRPレジャー(XRPL)」は4日、1時間以上にわたってブロック生成作業が一時停止する障害が発生した。

この障害は、過去3ヶ月以内で2度目の発生となり、システムの信頼性に関する懸念が広がっている。

同社のデビッド・シュワルツ最高技術責任者(CTO)は、サーバーが不正データの拡散防止のため意図的に検証を停止した可能性を指摘した。

障害の原因

XRPレジャーは、主に金融機関間の高速かつ低コストな国際送金を実現しようとするネットワークだ。送金には主に、暗号資産(仮想通貨)リップル(XRP)が使用される。

今回のネットワーク障害は、コンセンサス(検証)メカニズム自体は正常に動作していたものの、バリデーターの応答が停止する事態となった。

シュワルツ氏は今回の問題を「ドリフト」現象と説明。この現象は、コンセンサスは維持されているが、検証が停止およびネットワークが分断される状態を指す。

システムは、1時間ほどで復旧。バリデーター運営者が最後の完全検証済みレジャーから安定したリファレンスポイントを手動で選択することで達成された。

リップル社の最近の動向

リップル社は最近、ドル連動型のステーブルコイン「リップルUSD(RLUSD)」を発売。イーサリアム(ETH)とXRPレジャー上に展開を開始した。

また、XRPレジャーに不正取引や法令違反が発生した際の資産回収が可能となる「クローバック機能」を新たに導入した。

この機能により同ネットワークが、ビットコイン(BTC)のような完全な分散型でなく、機関投資家向けの集権性も兼ねたネットワークとしての立場の確立を狙っていると考えられる。

ただし今回のような障害発生は、システムの信頼性向上が引き続き重要な課題であることを示している。

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