
トランプ米大統領の一族と関係のあるWorld Liberty Financialは、米ドルにペッグされた新たなステーブルコイン「USD1」を発表した。
同時に、暗号資産(仮想通貨)カストディ大手のBitGoが資産の保管サービスを担当することも明らかになった。
World Liberty Financialによると、USD1は米ドルと1:1で価値が連動するステーブルコインとして設計されている。同社はトランプ一族、特にドナルド・トランプ・ジュニア氏と関係があるとされており、今回の発表は仮想通貨市場に新たな展開をもたらすものとして注目を集めている。
Meet USD1 — the stablecoin your portfolio’s been waiting for.
Built for institutions and retail alike. Backed by dollars. Custodied by BitGo.
No games. No gimmicks. Just real stability.https://t.co/vXPbZe0GPn— WLFI (@worldlibertyfi) March 25, 2025
USD1ステーブルコインの重要な特徴として、BitGoによるカストディサービスの提供が挙げられる。BitGoは仮想通貨業界で実績のあるカストディ(資産保管)プロバイダーであり、同社の参画によってUSD1の信頼性と安全性を高める狙いがあると見られる。
カストディサービスとは、仮想通貨の秘密鍵を安全に管理し、不正アクセスやハッキングからデジタル資産を保護するサービスである。特にステーブルコインのような金融商品では、裏付け資産の安全な管理が重要視される。
トランプ一族が関与するステーブルコインの登場は、米国の政治と仮想通貨市場の接点として注目される。ドナルド・トランプ大統領は以前、ビットコイン(BTC)などの仮想通貨に否定的な見解を示していたが、近年はNFTコレクションの発売など、デジタル資産への関与を徐々に深めている。
ステーブルコインはすでにTether(USDT)やUSDC、Daiなど複数の主要プレイヤーが存在する競争の激しい市場だ。USD1がこの市場でどのようなポジションを確立できるかは、今後の展開と採用率に大きく依存するだろう。
米国ではステーブルコインを含む仮想通貨の規制フレームワークが発展途上にある。トランプ一族関連のステーブルコイン登場は、政治的な影響力を持つ勢力が仮想通貨市場に参入する例として、規制当局や市場参加者から注目されている。
World Liberty FinancialのUSD1がどのような規制対応を行い、どのようなユースケースを想定しているのかについては、今後の発表で明らかになると予想される。米国大統領選挙が近づく中、政治と仮想通貨の関係は今後も注目を集めるトピックとなりそうだ。
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