トランプ大統領、関税発表で市場から3600億ドルの資金が流失

3日、暗号資産(仮想通貨)市場は大きく下落した。米国のドナルド・トランプ大統領が新たな関税を発表し、市場全体で約3600億ドル(約5兆4360億円)の損失が発生。FTX破綻やテラルナ危機を上回る規模の暴落となった。

主要仮想通貨にも影響

暴落の原因は、トランプ大統領の貿易政策に影響を受けたようだ。カナダとメキシコからの輸入品に25%、中国からの輸入品に10%の関税を課すと発表し、市場はリスク回避の姿勢を強めた。

さらに、カナダとメキシコが対抗措置を検討していることも不安材料となり、仮想通貨市場のセンチメントを表すFear & Greed Index(恐怖・強欲指数)は3日間で30ポイント以上急落し、投資家たちが「恐怖」の状態にあることが示されている。

ビットコイン(BTC)は3週間ぶりに10万ドル(約1510万円)を割り込み、イーサリアム(ETH)は約25%の急落で2024年9月以来の最安値を記録。ドージコイン(DOGE)やソラナ(SOL)その他ミームコインも大幅に下落した。

高レバレッジ取引と強制清算が暴落を加速

暴落を深刻化させたのは、高レバレッジ取引の強制決済(ロスカット)だ。価格が下がると、マージン取引の投資家が強制的にポジションを手放すことになり、売りが加速した。特にイーサリアムはDeFi市場との関わりが深く、自動清算メカニズムが発動しやすい。1日の決済額は220億ドル(約3322億円)を超え、仮想通貨史上最大規模となった。

また、株式市場も影響を受け、S&P500指数の先物は1兆ドル(約151兆円)の価値を失った。仮想通貨と株式市場の相関関係が再び明確になった。

トランプ大統領は選挙演説で仮想通貨に前向きな姿勢を示していたが、当選後の具体的な規制緩和策は未だ示しておらず、投資家の信頼を損なわれつつあり、さらに、高レバレッジポジションのロスカットによる損失も市場回復を難しくしているようだ。

この記事についてのご意見をお聞かせください!

この文章は役に立ちましたか?

最近の投稿