
ニューヨーク証券取引所アーカ(NYSEアーカ)は3日、暗号資産(仮想通貨)運用会社のビットワイズが手掛けるドージコイン(DOGE)現物ETFの上場を目指し、米証券取引委員会(SEC)に規則変更案を提出した。
この申請はNYSEアーカのルール8.201-E(商品ベース信託株式)に基づき、ドージコインを直接保有するETFの上場を目指す。ビットワイズのETFはデラウェア州の法定信託として構成され、純資産価値(NAV)はCFドージコイン・ドル決済価格をベンチマークに算出される予定。
本ETFでは、コインベース・カストディ・トラスト・カンパニーがカストディ(保管機関)を務め、BNYメロンが現金管理や事務管理を担当。さらに信託会社のデラウェア・トラスト・カンパニーが受託者として参加する体制となっている。
今回のビットワイズによる申請は、仮想通貨ETF市場の競争が激化していることを示している。仮想通貨運用会社のグレースケール・インベストメンツは2月1日、既存の「ドージコイン・トラスト」をETFへ転換する申請を行ったほか、オスプレイ・ファンズやタトル・キャピタルも同様の商品を計画している。
これらの動きは、ビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)ETFの成功を受け、ミームコインへの投資需要を取り込もうとする流れの一環だ。特に、ドージコインは時価総額約470億ドル(約7兆970億円)を誇り、仮想通貨市場で8位の規模を持つことから、投資家の注目を集めている。
また、グレースケールが過去にビットコイン現物ETFの却下を不服として提訴し、法廷で勝利した事例は、新たな仮想通貨ETFの申請における規制上のハードルを下げる要因として期待されている。
ビットワイズのドージコインETFは、認可された参加者(ブローカー・ディーラーなど)を通じて「クリエーション・ユニット」(最低1万株)単位で株式の発行・償還を行う仕組みを採用する予定だ。取引は現金決済で行われ、ドージコインは承認された第三者取引相手を通じて取得・売却される。
SECは、提出された申請に対し45日以内に初期判断を下す必要があり、市場関係者は今後の審査プロセスを注視している。ビットコインやイーサリアムに次ぐ主要な仮想通貨ETFとして、ドージコイン関連商品の上場が認められれば、新規の資金流入が期待される。
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