ネブラスカ州知事、暗号資産産業の誘致に積極姿勢を表明

ネブラスカ州のジム・ピレン知事は13日、同州が暗号資産(仮想通貨)産業の誘致に積極的に取り組んでいる姿勢を示す発言をX(旧Twitter)上で行った。

「仮想通貨は新興産業であり、私たちはネブラスカを新しい仮想通貨のリーダーに育てるために懸命に取り組んできた。私たちは営業を再開しており、正しいやり方で運営していることを皆に知ってもらいたい」とピレン知事は投稿。

同時に、仮想通貨詐欺から州民を保護するための新法案「制御可能な電子記録詐欺防止法(LB609法案)」に署名したことも明らかにした。

仮想通貨ATM詐欺の増加と対策

同法案は特に仮想通貨ATMを悪用した詐欺行為からネブラスカ州民を保護することを目的としている。2023年、FBIはネブラスカ州の住民から仮想通貨ATMを利用した詐欺や盗難に関する239件の苦情を受け取り、これにより総額約1455万ドル(約21億8000万円)の損失が発生した。

「この取り組みの重要なポイントは、犯罪者がネブラスカ州を悪用するのを防ぐため、しっかりとしたガードレールを設けることだ」とピレン知事は強調した。

規制と産業育成の両立を目指す

ネブラスカ州銀行局長のケリー・ラマーズ氏も公式声明で、同州が合法的なICO仮想通貨ビジネスを積極的に歓迎していることを強調。健全な発展を促進しつつ、不正行為の排除にも力を入れていく方針を示した。

具体的な施策としては以下が発表されている。

  • 仮想通貨ATMの新たな規制枠組みの導入
  • ブロックチェーン関連企業の誘致
  • おすすめ仮想通貨の透明性向上のための法整備
  • 仮想通貨詐欺対策の専門チームの設置

全米で急増する仮想通貨詐欺

米国連邦取引委員会(FTC)のデータによると、仮想通貨ATMを悪用した詐欺による消費者の損失額は2020年から2023年の間に約10倍増加し、1億1400万ドル(約171億円)に達した。さらに、2024年上半期だけで被害額は6500万ドル(約97億5000万円)を超えている。

特に高齢者を標的にした詐欺が増加しており、FBIのインターネット犯罪苦情センター(IC3)によると、60歳以上の個人からの仮想通貨ATM詐欺に関する苦情は約2700件に上っている。

こうした状況を受け、イリノイ州選出のディック・ダービン上院議員をはじめとする複数の上院議員が仮想通貨ATMの規制強化に向けた取り組みを進めている。ネブラスカ州の新たな取り組みは、仮想通貨産業の育成と消費者保護を両立させる試みとして、他州からも注目を集めている。

この記事についてのご意見をお聞かせください!

この文章は役に立ちましたか?

最近の投稿