ソフトウェア企業のマイクロストラテジー(MicroStrategy)が、さらに10,107 BTC(約11億ドル相当)を購入し、同社のビットコイン保有量が471,107 BTCに達した。
これは現在の市場価格で約470億ドルに相当し、発行上限が決まっているビットコインのうち約2%を同社が占めることになる。
マイケル・セイラー氏率いる同社は、2020年からビットコインを財務資産の中心に据え、企業のバランスシートにビットコインを取り入れるモデルを確立。
今回の追加購入は、同社が継続的に株式発行と債務発行を活用して資金調達し、その資金をビットコインに投じる戦略の一環だ。
特に、最新の購入では新たに276万株を発行し、その売却益でビットコインを取得している。
出典: MicroStrategy発表 投稿を見る<
先週の株主総会では、普通株式の発行上限を3億3,000万株から103億株へと拡大することが承認された。
これに加え、新たなシリーズA永久ストライク優先株250万株の発行も発表され、その資金はさらなるビットコインの購入に充てられる予定だ。
この動きにより、同社は株式市場を利用してビットコインを買い増し続ける姿勢を明確にした。
仮想通貨業界ではこの戦略を称賛する声も多く、機関投資家のビットコイン導入が加速する可能性があるとの見方が強まっている。
特に、ブラックロックのCEOが「ビットコインは70万ドルに到達する可能性がある」と発言したことも、機関投資家の関心を高める要因となっている。
一方で、マイクロストラテジーの戦略にはリスクも伴う。株式発行による資金調達は、株価が下落すれば負の影響を受ける可能性がある。また、ビットコイン価格が大幅に下落した場合、同社の財務状況に影響を及ぼすリスクも指摘されている。
マイクロストラテジーの積極的な買い増しにもかかわらず、同社の株価は4%下落した。これは、最近の仮想通貨市場全体の売り圧力と連動している。ビットコイン自体も、一時10万ドルを下回ったものの、DeepSeekショック後、10万3,000ドルまで回復しており、市場は徐々に持ち直している。
また、過去のビットコインの値動きを見ると、半減期後には価格が急騰する傾向がある。ビットコイン半減期の仕組みを考慮すれば、今後の価格上昇を見越したマイクロストラテジーの戦略は合理的とも言える。
マイケル・セイラー氏は、ビットコインを「デジタルゴールド」と位置づけ、売却するつもりはないと明言している。株式市場からの資金調達と企業収益を活用し、長期的にビットコインを蓄積し続ける計画だ。
しかし、ビットコイン価格の変動は予測が難しく、仮想通貨市場全体の動向にも大きく左右される。過去には多くのビットコイン投資家が巨額の利益を手にしており、日本の「億り人」たちの成功事例も参考になるだろう。
マイクロストラテジーの決断が今後の仮想通貨市場にどのような影響を与えるのか、そしてビットコインが企業の財務資産として確立されるのか、引き続き注目が集まる。