
アトラス・パルスのチャーリー・モリス氏は14日、過去30日間で金ETF(上場投資信託)には100億ドル(約1兆4900億円)の資金が流入した一方、ビットコイン(BTC)からは50億ドル(約7450億円)が流出していると述べた。
金ETFへの資金流入がビットコインETFの資金流出を大きく上回る状況が続いている。
この投資家心理の変化には複数の要因が影響している。地政学的緊張の高まりと経済的不確実性により、投資家はより安全な投資先を求めるようになり、金が伝統的な避難先として恩恵を受けている。
同時に、暗号資産(仮想通貨)市場の下落も顕著だ。ビットコインの価格は著しく下落し、大規模なハッキング事件や規制上の懸念など仮想通貨市場の不安定要素によりビットコインETFからの資金流出が激化している。
金の歴史的な相場上昇は、安定性と価値保全を求める投資家にとって魅力的な選択肢となっている。
金ETFとビットコインETFの対照的な状況は、より広範な市場動向を浮き彫りにしている。米国のスポット金ETFには年初来で60億ドル(約8940億円)以上、世界全体では230億ドル(約3兆4270億円)以上の資金が流入しており、安全資産としての金の魅力を裏付けている。
一方、スポットビットコインETFからは過去1週間で約30億ドル(約4470億円)の資金が流出し、これまでの資金流入トレンドから大きく転換している。
市場の不確実性が継続すれば、金の安定的な資産クラスとしての魅力は維持されると予想されており、投資家の選好シフトは今後も続く可能性がある。新しい仮想通貨が回復の兆しを見せるまで、伝統的な安全資産である金は引き続き投資家から高い支持を集めそうだ。
しかし、モリス氏が指摘するように、この資金フローのパターンは過去にも繰り返されており、市場センチメントの変化によって再び逆転する可能性もある。投資家は両資産クラスの長期的な動向に注目する必要があるだろう。
この文章は役に立ちましたか?