中国のAIスタートアップDeepSeek(ディープシーク)が、仮想通貨と米国株式市場に大きな波紋を広げている。
同社は、新たに発表したAIモデル「R1」が、600万ドルの開発費でOpenAIの技術を上回ると主張した。
この発表により、エヌビディア、マイクロソフト、ブロードコムなどのAI関連銘柄が急落し、同時にビットコインも10万ドルを割り込む事態となった。
なぜAIの進化が仮想通貨市場に影響を与えたのか。
その背景と今後の展望を分析する。
ディープシークは、高性能なエヌビディア製GPUを使わずに低コストで最先端AIを構築できることを示し、AI業界に衝撃を与えた。
これにより、米国企業が巨額投資してきたAIインフラの価値が疑問視されるようになった。
市場の混乱が最も顕著に表れたのが、テック株の大暴落とBTC価格の急落である。
AI市場への信頼が揺らぎ、ナスダック100指数とビットコインの相関関係が2年ぶりの高水準に達している今、テック株の暴落に伴いBTCが売られる構図となった。
BTCは、金(ゴールド)のような「価値の保存手段」としての地位を確立しつつあるものの、依然としてハイテク株と同じ「投機的資産」と見なされているのが現状だ。
ディープシークの発表を受けたAI関連株の暴落が、機関投資家のポートフォリオ再調整を引き起こし、BTCも売り圧力にさらされたと考えられる。
この結果、BTCは一時的に10万ドルを下回ったが、「ディープシークショック」後に10万3000ドルまで回復しており、底堅い動きを見せている。
今回の急落は、BTCにとって絶好の買い場となる可能性がある。
スタンダード・チャータード銀行のジェフリー・ケンドリック氏は、「BTCは9万6400ドルの主要サポートを維持しており、強気派が依然として市場を支配している」と述べ、2025年末までに20万ドルに到達する可能性があると予測している。
出典: X.com
さらに、米国政府の仮想通貨規制が緩和される兆しもBTCにとって追い風となる。
トランプ政権の下で仮想通貨を推進する新たな政策が進められていることが、市場の長期的な強気要因として期待されている。
ビットコインの将来性と2025年注目のアルトコインにも関心が集まる中、機関投資家の資金流入が続けば、BTCは再び最高値を更新する可能性がある。
ディープシークの台頭により、AI業界と金融市場の構造が大きく変化しつつある。
この変化が短期的な混乱にとどまるのか、あるいは長期的な市場の転換点となるのかは、今後数カ月の動向次第だ。
ただし、BTCが「買い場」となる可能性は十分にある。
テクノロジー株と異なり、BTCは供給量が2100万枚に限定されており、デジタルゴールドとしての価値が確立されれば、機関投資家の長期的な買いが続く可能性が高い。
マイクロストラテジーが10億ドルのビットコインを買い増ししたように、企業の財務資産としてのBTC需要が高まれば、価格の回復も早まるだろう。
市場は今、不確実性に直面しているが、BTCの長期的な可能性は揺るがない。
次の大相場に備え、慎重かつ大胆に動くべき時が来ている。