ブラックロック、欧州市場でビットコイン上場投資商品の取引開始

世界最大の資産運用会社ブラックロックは26日、欧州の主要取引所でビットコイン(BTC)上場投資商品(ETP)の取引を開始した

欧州主要取引所で取引開始

ブラックロックのiShares Bitcoin ETPは3月25日、ドイツのXetra、ユーロネクスト・アムステルダム、ユーロネクスト・パリの3つの主要取引所で取引を開始した。これはブラックロックにとって北米以外で初めての仮想通貨関連商品となる。

この新しいETPは、Xetraとユーロネクスト・パリでは「IB1T」、ユーロネクスト・アムステルダムでは「BTCN」のティッカーシンボルで上場している。当初の運用手数料は0.15%と設定され、欧州で最もコスト効率の高いビットコインETPの一つとなっている。

ブラックロックのこの戦略的な価格設定は、プロモーション期間中の手数料引き下げを含め、欧州市場の他の仮想通貨投資商品プロバイダーとの競争力を高めることを目的としている。この競争的なアプローチは、投資家にとって有利な環境を創出し、仮想通貨市場にプラスの影響を与えると期待されている。

米国ETF成功を受け、欧州市場に戦略的参入

ブラックロックは、米国で承認されたiShares Bitcoin Trust ETFですでに大きな成功を収めており、現在約507億ドル(約7兆6050億円)の資産を運用している。これはビットコイン総供給量の約2.73%を占める規模だ。

この欧州展開は、米国とカナダでの成功に続くもので、ブラックロックのビットコインへの信頼の高まりを示している。世界最大の資産運用会社による欧州市場への参入は、機関投資家の仮想通貨市場への参加をさらに促進する可能性がある。

欧州連合(EU)の暗号資産市場規制(MiCA)の整備が、ブラックロックの欧州市場への拡大を可能にした重要な要因の一つとなっている。この規制枠組みは、仮想通貨資産に対する一貫したアプローチを提供しており、米国の政策変動と比較して規制の安定性をもたらしている。

欧州の仮想通貨投資環境への影響

この展開は、欧州の機関投資家や個人投資家にとって、コスト効率の良いビットコイン投資の機会を提供するものとなる。特に欧州の伝統的なファミリーオフィスが「デジタルゴールド」と呼ばれるビットコインに資産を配分する動きを加速させる可能性がある。

欧州では、特に市場参入の費用対効果の高い方法を求める機関投資家の間で、デジタル資産への強い需要が存在している。ブラックロックのETPは、個人投資家と機関投資家の双方に低コストの投資機会を提供する位置づけとなっている。

一方で、一部のアナリストは、米国で見られたような即時の大規模な資金流入を期待することには慎重な見方を示している。欧州市場は米国市場と異なる特性を持っており、投資家の反応も異なる可能性がある。

ブラックロックのグローバル展開戦略は、世界中の投資家にビットコインへのアクセスを提供することを目指している。

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