ビットコイン取引活動、約11ヶ月ぶりの低水準に

ビットコインネットワークの活動量はこのほど、ここ数か月間で減少傾向を見せており、2024年3月以来の最低水準に達した。

CryptoQuantのフリオ・モレノリサーチ責任者は、ビットコインの取引活動が異常に低迷している状況について言及。現在、メンプールはほぼ空であり、取引手数料は2024年3月以来の最低水準となる1 sat/vBにまで低下しているという。

メンプールとは、処理待ちのビットコイン取引が一時的に保存される領域。通常、オンチェーンの需要やネットワーク活動が活発なときには混雑する。しかし、新たなデータによると、ほとんどの取引がすでに処理されており、メンプールはほぼ空の状態になっている。

BRC-20やRunesへの関心低下

モレノ氏によれば、この取引活動の減少の主な要因は、Runes(ルーンズ)およびBRC-20トークンに対する関心の低下にあるという。

RunesおよびBRC-20トークン規格は、ビットコインブロックチェーン上でトークンや非代替性トークン(NFT)を作成・発行するためのプロトコル。これらのプロトコルはローンチ当初、大きな注目を集めたものの、その熱狂は長続きせず、継続的な利用には至らなかった。

Bitcoin Mempool

しかし、RunesとBRC-20トークンの人気が最高潮に達した際、ビットコインネットワーク上で1日あたり150万件以上の取引が確認された。特に、2024年4月23日には、Bitcoin Runesのローンチが影響し、160万件以上の取引が記録された。

取引件数の減少は、ビットコインネットワークのさまざまな側面に影響を及ぼす可能性がある。その一例がマイナー(採掘者)の収益である。マイナーは、ブロック報酬に加えて取引手数料を収入源としているが、最近の半減期(ハルビング)によりブロック報酬がさらに削減された。そのため、取引手数料が長期間低水準のままであれば、マイニングの収益性が低下し、ネットワークのハッシュレート分布にも影響を与える可能性がある。

BTC価格への影響

メンプールがほぼ空の状態で取引活動が低迷していることは、ビットコイン価格の上昇にとって好ましい状況とは言えない。特に、投機的な関心の低下や投資家の熱意の減少を示唆し、価格の停滞や調整につながる可能性がある。

記事執筆時点で、BTCの価格は約100,450ドル(約1,500万円)となっており、過去24時間で約2%下落している。さらに、CoinGeckoのデータによれば、この1週間でビットコインは約3.5%の価値を失っている。

BTC on the daily timeframe