
中国は5日、財政・金融政策を強化し、国内消費の活性化と米国との貿易戦争の影響緩和に取り組む方針を示した。
過去の傾向では、主要国の景気刺激策は仮想通貨市場の強気トレンドと一致してきた。S&P Globalによると、仮想通貨市場は緩和政策や引き締め政策のどちらの局面でも価格変動を経験している。
中央銀行の金融緩和策は世界的な流動性を高め、ビットコイン(BTC)やミームコインを含む暗号資産といったリスク資産に影響を与える可能性がある。
昨年9月にビットコインは12.3%急騰し、9月として過去最高のパフォーマンスを記録。これは、中国が短期金利や銀行の準備金要件を引き下げた時期と一致する。
暗号資産企業NEXOの広報担当者は、「2015年と2020年の中国の金融緩和時には、過剰流動性が代替資産に流れ込んだ」と指摘。一方で、中国の厳格な規制により仮想通貨市場への直接流入が制限される可能性があると警告した。「流動性の一部が政府支援の資産や金などの安全資産に向かう可能性がある」と述べた。
中国の李強首相は全国人民代表大会の演説で、「世界は急速に変化している」と発言。米国のドナルド・トランプ大統領による貿易戦争は、中国の産業に依然として影響を及ぼし、消費低迷や不動産市場の悪化が経済の脆弱性を高めている。
中国政府の年次活動報告では、GDP成長率5%、財政赤字4%の目標を掲げ、消費の促進に重点を置く方針を発表。ナンセンのオーレリー・バーテール主席研究アナリストは、「中国経済は緩やかな成長を維持しているが、仮想通貨市場に対する影響は米国の政策変更ほど大きくない」と述べた。
ビットワイズのアンドレ・ドラゴッシュ欧州リサーチ責任者は、「ビットコインのパフォーマンスは世界経済の成長期待に左右される」と指摘。関税をめぐる不確実性が高まり、成長期待が下方修正されていると分析した。
一部のアナリストは、BTCの上昇が、中国の具体的な金融政策よりも市場の投機的な動きによる影響が大きい可能性を指摘している。しかし、今後の追加刺激策や経済指標の改善への期待が、引き続き強気相場を支える要因となるかもしれない。
この文章は役に立ちましたか?