
世界最大級の暗号資産(仮想通貨)取引所バイナンスのチャンポン・ジャオ(通称:CZ)創業者および元CEOは10日、同取引所の新規トークン上場プロセスについて「問題がある」と批判的な見解を示した。
この発言は、新しいミームコイン「テストトークン(TST)」が、分散型取引所(DEX)で発売の数時間後に同取引所に上場を果たしたことを受けてのものだ。
TST got listed on Binance. A few thoughts:
1. CZ said “fundamentals”, then talks about a test coin turned meme coin.
I posted to clarify that TST was NOT endorsed by me/us. It was just a test token used in a video tutorial. But every clarification post just made it more viral…
— CZ 🔶 BNB (@cz_binance) February 9, 2025
TSTは、同取引所の開発するBNB Chain関連のサンプルトークンとして作成された。同氏もTSTローンチ時、「TST私たちが推奨したものではないことを明確にします。これは動画チュートリアルで使用されたテストトークンにすぎません。」と述べた。
しかし実際には、TSTは発売後に急騰。時価総額は5億ドル近くまで上昇した。そしてそのわずか4時間後、TSTは同取引所に上場された。
同氏によると、この短い仮想通貨上場が市場操作を助長する可能性があると指摘。
具体的には、トレーダーが中央集権型取引所(CEX)での取引開始前にDEXでトークンを購入し、CEXでの取引開始後に売り抜けるという行為が可能になるという。
また同氏は、自身がミームコインを購入していないことを強調し、投機的な資産よりも基本的価値を重視する姿勢を示した。
DEXで採用されているような「自動化された新たな上場システム」の導入も提案した。
昨今の仮想通貨業界では、取引所間で人気のある仮想通貨をいち早く上場し、取引量を確保しようとする競争が激化している。
しかし一方で、この競争圧力が投機的な上場を促す結果となっている。
同氏の今回の指摘は、トークン上場プロセスの透明性向上と、より公平な市場環境の整備が必要であることを示唆。市場関係者からは、この問題に対する具体的な対応策の検討が求められている。
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