アルゼンチン大統領、LIBRAミームコインを巡り調査指示

アルゼンチンのハビエル・ミレイ大統領は16日、リプラ(LIBRA)と呼ばれるミームコインのプロジェクトに関する包括的な調査を指示した。大統領府は腐敗防止局(OA)による調査と特別調査ユニット(UTI)の設置を発表している。

大統領の投稿削除で混乱拡大

ミレイ大統領は15日、公式ソーシャルメディアを通じてLIBRAトークンを紹介。アルゼンチンの中小企業支援を目的とした民間プロジェクトとして言及したが、プロジェクトの詳細が明らかになるにつれ、投稿を削除する事態となった。

ミームコインの価格は一時4.96ドルまで上昇し、時価総額は50億ドルに迫った。しかし、プロジェクトの正当性に対する懸念から大規模な売り圧力が発生し、価格は0.6ドルまで95%以上下落した。

調査体制の確立へ

大統領府は、暗号資産(仮想通貨)規制、金融、マネーロンダリング対策などの専門家で構成される特別調査ユニット(UTI)を設置。LIBRAトークンとその関係者に関する包括的な調査を実施する方針を示した。

KIPプロトコルのジュリアン・ペCEOは15日、同社がアルゼンチンの企業向け資金分配を支援するために雇われたと説明。しかし、LIBRAトークンの作成や利益には関与していないと述べ、他の関係者の詳細は明らかにしていない。

投資家保護の観点から

今回の事態を受け、投資家保護に関する新たな課題が明らかになった。専門家からは、「政府高官が仮想通貨プロジェクトを支持表明することで、投資家が十分なリスク評価をせずに投資を決断してしまう危険性がある」との懸念が示されている。

特に問題視されているのは、政府関係者のソーシャルメディアでの発言が市場に与える影響の大きさだ。大統領の一つの投稿で価格が急騰し、その削除で暴落するような事態は、投資家保護の観点から深刻な問題と言える。

政府関係者による仮想通貨プロジェクトへの関与について、明確なガイドラインの策定を求める声が高まっている。大統領府が設置した特別調査ユニット(UTI)の調査結果と、今後の規制強化に向けた取り組みが注目される。

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