イーサリアム(ETH)は、機関投資家の関心の高まりと強気のテクニカルパターンが重なり、大規模な上昇に向けて準備が整っている可能性がある。
専門家の分析によると、ETHは長期的な強気のトレンドに突入しており、5,000ドル到達が現実味を帯びている。
暗号資産(仮想通貨)アナリストのJelle氏は、イーサリアムのチャート上に興味深いパターンが形成されていることを指摘。ETHは過去4年間にわたり、巨大な強気ペナントを形成しており、これは通常、大規模なブレイクアウトの前兆とされる。
Ethereumは4年間の強気ペナントを経てブレイクアウトの準備が整っています。 出典: Jelle (X) 👉 投稿を見る
「このパターンは、上昇トレンドの継続を示唆している」(Jelle氏)
また、ETHはこのペナント内でローカルの安値をすべて取り除いた状態であり、売り圧力の減少が上昇の土台を作っている可能性がある。これは歴史的に、次の強気相場へとつながる兆候として知られている。
こうした動きは、カルダノ(ADA)の最近の価格急騰と似たような展開を示しており、市場全体が新たな強気相場に向けて準備を進めている可能性がある。
イーサリアムに対する機関投資家の関心が急増している。
最近のレポートでは、複数の大手機関投資家や政府関連ウォレットがETHを大量に購入していることが判明。
市場関係者の間では、米国政府が暗号資産市場で積極的に活動する可能性が高まっているとの見方が強まっている。その背景には、トランプ大統領が発表した暗号資産とAIに関する大統領令がある。
「トランプ政権のプロ暗号資産政策が、ETHの機関投資家向けの魅力をさらに高めている」(市場アナリスト)
この流れを受け、イーサリアムは新たな機関投資家向けプロジェクト「Etherealize」を発表。
このプロジェクトは、伝統的な金融市場にイーサリアムを導入するための教育やツール開発を目的とし、ウォール街のベテランヴィヴェク・ラマン氏が主導する。
「イーサリアムは、時間の試練に耐えてきた唯一のブロックチェーンだ」(ラマン氏)
ETHは過去1年間で51.9%の上昇を記録しているが、直近では1.9%の下落、1か月で0.4%の下落を経験。しかし、多くのアナリストはこれを「調整局面」であり、長期的な上昇トレンドの崩壊ではない」と分析している。
暗号資産アナリストのDaan氏は、ETHのチャート上に巨大な「下降ウェッジパターン」が形成されていることを指摘。
「このウェッジを上抜けすれば、ETHはまず4,000~4,100ドルを目指すだろう。その後、5,000ドルが視野に入る」(Daan氏)
これは、ビットコインやカルダノがテクニカル分析で示した強気のパターンと類似しており、市場全体が次のラリーに向けた準備段階に入っている可能性を示している。
1. ATH(過去最高値)まで31%のギャップ
ETHは現在の価格から31%上昇しなければ、2021年11月に記録したATH(過去最高値)には到達しない。 一方、ビットコインやソラナはすでに高値更新を果たしており、ETHのパフォーマンスはそれに比べて劣っている。
2. イーサリアム財団の内部問題
最近、イーサリアム財団の運営方針に関する批判が相次いでおり、ネットワークの競争力が維持できるのか疑問視する声もある。 しかし、ヴィタリック・ブテリン氏は「ネットワークの革新を継続する」とコメントし、今後の成長戦略を明確にするとしている。
市場全体のセンチメントは、ETHの今後に対して「慎重な楽観論」を維持している。
Jelle氏の予測では、ETHは2025年3月までに5,000ドルへ到達する可能性がある。
「イーサリアムの長期的な調整フェーズは終わりつつある。機関投資家の蓄積と強気のテクニカルパターンが重なり、大規模なブレイクアウトが間近に迫っている」(Jelle氏)
今後の展開は、ETHが重要なサポートライン(3,367ドル、3,200ドル)を維持できるかどうかにかかっている。
イーサリアムの次の動きが、暗号資産市場全体の方向性を決定づける可能性がある。投資家は、重要な価格水準を注視しつつ、市場の動向を見極める必要がある。