破綻したFTX、1120万SOL(約2835億円)のロックアップ解除

2022年に経営破綻した暗号資産(仮想通貨)取引所FTXは1日、債権者への返済資金確保のため、1120万枚のソラナ(SOL)トークンのロックを解除した。市場価値は約20億ドル(約3020億円)で、流通量の約2.3%を占める。

これは破産手続きの一環で、FTXは過去3回のオークションを通じてギャラクシーデジタルやパンテラキャピタルなどの機関投資家に1枚64〜102ドルで売却し、約29.32億ドルを確保。今後の債権者返済に充てられる予定だ。

市場影響と価格変動の懸念

売却価格が市場価格(約170ドル)を大幅に下回るため、利益確定売りが懸念される一方で、デファイアンスキャピタルのアーサーCEOは「短期間での大規模売却リスクは低い」とし、3か月後には価格が上昇する可能性があると指摘。

また、流通量の2.3%にとどまり、過去の類似ケースと比較しても市場影響は限定的とみられる。ただし、SOL価格は下落傾向が続いており、短期的なボラティリティの上昇が懸念される。

債権者への返済進捗

今回のSOL売却は、小口債権者(5万ドル未満)向けの第一段階の返済計画の一環。FTXの債権総額は約67億ドルで、そのうち約8億ドルが優先支払いされた。すでに約16万人の小口債権者(全体の約35%)への支払いが完了している。一方、大口債権者(5万ドル以上)への返済は5月以降に予定され、法定通貨での支払いが見込まれている。

その他資産の処分と市場見通し

FTXはSOL以外にも仮想通貨を保有しており、スイ(SUI)関連ではマイステンラボの株を9500万ドル相当で売却。そのほかアプトス(APT)を約535万枚(3165万ドル相当)保有しているが、処分する計画は現時点で発表されていない。管財人はSOL以外にもモナコイン(MONA)を含めた売却方法についても慎重に検討し、最終的に債権者管理会が決定を行う見込みだ。

市場では、FTXおよび関連会社アラメダリサーチの資産売却完了後、ビットコイン(BTC)をはじめ、仮想通貨市場全体のボラティリティが高まる可能性があり、SOLについては短期的な価格変動が予想されるものの、中長期的には再び上昇基調に戻るとの見方もある。

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