米国のビットコインETFに8日連続の資金流出、総額32億ドルに

米国の現物ビットコイン上場投資信託(ETF)は1日、暗号資産(仮想通貨)市場の下落を背景に8営業日連続の資金流出を記録し、その総額が32億ドル(約4,832億円)に達した

この連続流出期間は、2024年8月に記録した期間と並び、ビットコイン(BTC)ETF設立以来最長となる。主要ETFだけでなく、イーサリアム(ETH)のETFも6日連続で流出が続いており、その額は3億1,500万ドル(約476億円)に上っている。

市場全体の下落と投資家心理の悪化

この大規模な資金流出の背景には、仮想通貨市場と伝統的な株式市場の両方が調整局面に入ったことが挙げられる。特にビットコインの価格が9万ドルを下回る中、投資家は保護策としてETFの売却を加速させている。

2月25日には11のETFから合計9億3,790万ドル(約1,416億円)の純流出が記録され、同日のビットコイン価格は3.4%下落した。市場専門家らは、投資家心理の悪化がこの連続的な資金流出の主な要因だと指摘している。

主要ETFの動向と今後の見通し

主要ETF別の動きを見ると、ブラックロックが運用するIBITからは4億1,800万ドル(約631億円)の流出が記録された。一方で、ビットワイズのBITBは例外的に1,760万ドル(約26.6億円)の資金流入を確保した。

12のETF全体の累積純資産流入額は368億5,000万ドル(約5.6兆円)に達しているものの、現在は過去最低水準で推移している。これらETFの純資産総額は468億ドルで、ビットコイン時価総額の約5.7%を占めており、ETFの資金移動がビットコイン価格形成に与える影響について注目が集まっている。

ヘッジファンドの裁定取引の影響

市場の専門家らは、一部のヘッジファンドが行う裁定取引戦略も資金流出に影響していると分析している。これはETFを購入しつつ、先物市場でショートポジションを取る「アービトラージ」取引だ。

ただし、この戦略が解消される過程では、ETF売却と同時に先物市場での買いポジションも発生するとみられる。よって、市場全体への直接的な影響は中立化する可能性がある点も指摘されている。

仮想通貨市場が下落基調にある中、ETFからの資金流出が今後も続くかどうか、市場の注目が集まる。ビットコイン価格の動向と仮想通貨バブルの可能性や半減期の影響も考慮しながら投資家心理の回復に大きく依存すると専門家は見ている。

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