仮想通貨市場は暴落|BTCは6億ドル超の先物ポジションが清算

暗号資産(仮想通貨)市場は27日、ビットコイン(BTC)とイーサリアム(ETH)の価格が大幅に下落し、24時間で6億ドル(約894億円)を超える清算が発生した。

ビットコイン(BTC)は一時8万3724ドル(約124万7488円)まで下落し、現在も8万4000ドル(約125万1600円)を下回る水準で推移している。前日比で3%以上、週間ベースでは12%の下落を記録し、11月上旬以来の安値となった。また、過去1カ月で最高値10万8000ドル(約160万9200円)から23%下落している。

イーサリアムの下落が目立つ

イーサリアムの下落はさらに大きく、前日比4%以上の下落を見せ、2275ドル(約33万8975円)まで値を下げた。これは2023年9月以来の安値水準であり、史上最高値4878ドル(約72万7020円)からの下落率は53%に達している。

仮想通貨市場全体でも過去24時間で約4%の下落が確認され、市場の不安要因としてインフレ懸念、トランプ政権による関税拡大への警戒感、ミームコイン取引の減少、そして仮想通貨取引所Bybit(バイビット)で発生した14億ドル(約2086億円)規模のハッキング事件が影響を及ぼしていると見られる。

6億ドルの先物ポジションが清算

FRNT Financialのストラヒンヤ・サヴィッチ氏は、「関税政策の混乱や金利の先行き不透明感、さらにNVIDIAの決算発表を控えた市場の警戒感が、投資家のリスク回避姿勢を強めている」と指摘した。

また、「NVIDIAがこれまで広範な市場の牽引役となっていたことを考えると、ビットコインの今回の値動きもNVIDIAの決算発表に向けたポジション調整の影響がある可能性がある」との見解を示した。

市場の急落により、CoinGlassのデータでは過去24時間で約6億1,300万ドル(約913億3700万円)の先物ポジションが清算された。その中でも、ビットコイン関連の清算が3億3500万ドル(約499億1500万円)と最多を占め、イーサリアム関連の清算は1億1500万ドル(約171億3500万円)となっている。

一方で、一部の市場関係者は今回の下落を強気相場の典型的な調整局面と捉えており、過去にも類似の動きがあったことを指摘している。サヴィッチ氏は、「例えば昨年8月にも大幅な調整があったが、その後11月にはビットコインが10万ドルを超える展開となった。現在の注目ポイントは200日移動平均線の8万1700ドル(約121万7330円)で、この水準を下回るかどうかが重要だ」と述べた。多くのアナリストは仮想通貨バブルの長期的な強気見通しを維持している。

この記事についてのご意見をお聞かせください!

この文章は役に立ちましたか?

最近の投稿