グレースケール、機関投資家向けDOGE投資ファンドを設立

米資産運用会社「グレイスケール」は31日、ドージコイン(DOGE)投資ファンドの設立を発表した。これにより、機関投資家が人気ミームコインであるDOGEに投資する機会が提供されることになる。

同社はドージコインについて、「ライトコイン(LTC)から派生したオープンソースのP2P型デジタル通貨であり、ライトコイン自体もビットコイン(BTC)を基盤に開発された」と説明している。

機関投資家限定「ドージコイン投資ファンド」

グレイスケールが今回新たに設立したドージコイン投資ファンドは、機関投資家のみに限定されており、投資家はドージコインを直接保有することなくエクスポージャーを得ることが可能となる。

ドージコインはビットコインと同様に、プルーフ・オブ・ワーク(PoW)ブロックチェーンを採用しているが、取引の検証に必要な計算負荷が少なく、供給量に上限がない点が大きな特徴である。この特性により、ドージコインは他の暗号資産(仮想通貨)とは異なるユニークな存在となっている。

グレイスケールのプロダクト&リサーチ責任者であるRayhaneh Sharif-Askary氏は、ドージコインの成長について「金融アクセスを促進するための強力なツールになる可能性がある」と述べ、同社の新たな取り組みの意義を強調した。

グレイスケールのこうした動きは、機関投資家の間でミームコインへの関心が高まっていることを反映している。従来、ミームコイン市場は個人投資家が主導していたが、機関投資家の参入により、同市場は新たな局面を迎えている。

1月18日には、ドナルド・トランプ前大統領の大統領就任に先駆けてトランプコイン(TRUMP)がローンチされ、市場で注目を集めた。このミームコインはソラナ(SOL)ネットワーク上で取引量を急速に拡大し、一時はネットワークの混雑を引き起こすほどの取引量が増加した。

この流れを受け、資産運用会社であるオスプレイ・ファンズとレックス・シェアーズは1月21日、ドージコイン、トランプコイン、ボンク(BONK)の上場投資信託(ETF)を申請。これにより、ミームコインが本格的な資産クラスへと進化しつつあることが示唆されている。

グレイスケールはドージコイン投資ファンドの設立を通じて、単一資産の仮想通貨投資商品のラインナップを拡充しており、機関投資家向けの投資機会をさらに広げている。

グレイスケールはこのほど、リド(LDO)、オプティミズム(OP)、アーヴェ(AAVE)に関連する新たな投資ファンドを設立している。

さらに、ワールドコイン(WLD)、ピス(PYTH)、ルーン(RUNE)を含む35以上のアルトコインを投資商品の候補として監視リストに追加している。

世界最大の仮想通貨資産運用会社であるグレイスケールは、2023年12月時点で約350億ドル(約5兆円)の資産を運用している。

同社は、特に機関投資家向けのビットコインおよびイーサリアム(ETH)投資信託で特知られており、機関投資家の仮想通貨市場への参入を促進する上で重要な役割を果たしてきた。

ゲンスラー氏の辞任を受け仮想通貨ETF申請が急増

米国証券取引委員会(SEC)のゲイリー・ゲンスラー委員長が20日に辞任したことを受け、仮想通貨ETFの申請が相次いでいる。 Grayscaleによる最新のETF申請も、この転換点において提出されており、SECおよび仮想通貨市場にとって重要な局面を迎えている。

ゲンスラー氏は在任中、一貫して仮想通貨規制に慎重な姿勢を取ってきたが、デジタル資産市場の成長とともに、明確な規制枠組みを求める圧力が高まっていた。市場関係者の間では、ゲンスラー氏の辞任が規制緩和につながる可能性があるとの見方が広がっており、それに呼応する形でETF申請が急増している。

直近では、タトル・キャピタル・マネジメント が仮想通貨を基盤とする10種類のレバレッジETFの申請を提出した。この中には、人気のミームコインに連動するファンドも含まれており、投資家の関心を集めている。

特に注目されるのは、トランプコインやメラニアニーム(MELANIA)に連動し、リターンを2倍にすることを目的としたレバレッジ型ETFである。これらの動きについて、アナリストは「トランプ政権下での仮想通貨に寛容な規制環境の可能性を試す戦略の一環」と分析している。

一方で、SECはビットワイズ・アセット・マネジメントによるビットコインとイーサリアムを追跡するETFの初期承認を行った。このETFは、ビットコインとイーサリアムを単一のファンドで運用する初の試みとなり、仮想通貨投資の多様化を促進する可能性がある。