
ブラジルの議員エロス・ビオンディーニは25日、国家のビットコイン準備金を設立する法案を提出た。
提案されたソブリン戦略的ビットコイン準備金(RESBit)は、ブラジルの3,550億ドル(約53.6兆円)の国際準備金のうち最大5%をビットコイン(BTC)に配分することを目指している。これにより、通貨変動や地政学的リスクを軽減し、国の経済回復力を強化するとしている。
法案によると、ビットコイン準備金はブラジルの経済安定化に寄与するだけでなく、同国が開発中の中央銀行デジタル通貨(CBDC)「レアル・デジタル(Drex)」の担保としても機能する可能性がある。こうしたデジタル通貨は世界各国で開発が進んでおり、ステーブルコインの概念を応用したものとなっている。
この動きは、2021年にビットコインを法定通貨として採用したエルサルバドルの例に触発されている。エルサルバドルは約6,000ビットコイン(約906億円相当)を蓄積し、これが経済の多様化と外国投資の誘致に役立ったとされている。
提案では、ブロックチェーンと人工知能(AI)技術を活用して、ビットコイン準備金の管理における透明性とセキュリティを強化する方針も示されている。セキュリティと金融の専門家で構成される技術諮問委員会が管理プロセスを監督し、潜在的なリスクを軽減する予定だ。
ブラジルは近年、デジタル資産の規制枠組みを積極的に発展させてきた。2023年6月には、ブラジル中央銀行に暗号資産(仮想通貨)サービスプロバイダーを規制・監督する権限が付与された。この規制整備により、国の金融エコシステムへのデジタル資産の統合が進むことが期待されている。
ブラジルの暗号資産セクターは急速に成長しており、輸入の大幅な増加が見られる。これはブラジル国民の間でデジタル資産に対する需要が高まっていることを示しており、同国が仮想通貨取引の世界的ハブとなる可能性を秘めている。
国家レベルのビットコイン準備金の創設という構想はブラジルに限ったものではない。アメリカやロシアなど他の国々も、金融の多様化とリスク管理戦略の一環として同様のアプローチを検討している。
ビオンディーニ議員によれば、この法案はブラジルのデジタル経済への移行を加速させる重要なステップとなる。「ビットコインをブラジルの準備金に組み込むことで、通貨の安定性を高め、国際金融システムの変化に対する回復力を強化できる」と述べている。
専門家は、この提案が実現すれば、ブラジルは主要国で初めて国家戦略としてビットコインを正式に採用する国の一つとなると指摘している。これは仮想通貨の主流化と国家レベルでの採用の重要な指標となる可能性がある。
法案はこれから議会での審議過程に入り、可決されるまでには様々な議論が予想される。しかし、ブラジル政府内でビットコイン準備金が国の繁栄に不可欠であるという認識が広がっていることは、世界的な仮想通貨採用の流れにおいて注目すべき展開だ。
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