仮想通貨の利益に消費税ってかかるの?手数料に税金がかかる?

「仮想通貨を売買するときに、仮想通貨の消費税がかかるのか不安に感じていませんか。利益に対しても消費税を納める義務があるのか把握しておきたいですし、税金で損をしないための節税対策も考えたいところです。」

こうした疑問にお答えします。

本記事の内容

  • 仮想通貨の取引そのものには消費税がかからない
  • 取引所やウォレットの手数料には消費税がかかる
  • 仮想通貨の利益は所得税・住民税で課税される仕組み

基本的に消費税法上、仮想通貨は無税と考えられており、ビットコインは非課税取引となります。ただし、取引所に支払う仮想通貨手数料と税金の関係には注意が必要で、手数料分には消費税が含まれます。

また、この記事を読むことでマイニング税務の扱いや、少額利益であればビットコインの確定申告は不要なのかといった疑問も解消できるはずです。税負担の本質を理解し、安心して取引を進めましょう。ぜひ読み進めてください。

仮想通貨の取引自体に消費税はかからない

消費税がかかるかもしれない仮想通貨

仮想通貨の売買取引そのものに対しては、基本的に消費税はかかりません。2017年7月以降、法律の改正によって仮想通貨が正式な支払手段として認められたからです。

そのため現在の仮想通貨においては、日本円での購入や売却の際に消費税を納める必要はありません。ただし取引所を利用する際など、一部のケースでは手数料に対して消費税がかかることもあります。

2017年7月から原則非課税へ変更

2017年6月末までは仮想通貨が「モノ」として扱われていたため、購入時に消費税が課されることがありました。しかし利用者の増加を受けて法改正が行われ、2017年7月1日からはビットコインも非課税として扱われています。

これにより現在では、購入時に消費税分を上乗せして支払う必要はありません。以前の古い税制情報と混同しないよう、現在のルールを正しく把握することが重要です。

購入時や売却時の税対応

仮想通貨の購入や売却自体は消費税の対象外ですが、関連するコストや他の税金については注意点があります。特に以下の3つのポイントを理解しておきましょう。

  1. 取引所の手数料:取引所への支払いはサービス料となるため、仮想通貨の手数料には税金(消費税)がかかります。
  2. 商品やサービスの購入:仮想通貨決済で商品を買う場合、その商品代金には消費税が含まれます。
  3. 所得税との区別:消費税はかかりませんが、利益が出れば所得税の対象です。

仮想通貨同士を交換した場合の扱い

保有している仮想通貨を別の種類の仮想通貨へ交換する場合も、消費税は発生しません。同じ支払手段同士の交換とみなされるため、この行為自体は仮想通貨が無税であるといえます。

ただし消費税がかからないことと、利益に対する仮想通貨の税金がかからないことは別の話です。状況ごとの税金の扱いを下表にまとめました。

取引行為 消費税の扱い 所得税の扱い
仮想通貨の購入・売却 消費税非課税 譲渡益に対して課税(雑所得)
仮想通貨間の交換 消費税非課税 譲渡益があれば課税
取引所手数料の支払い 消費税課税対象 所得税とは別に消費税納税義務あり
暗号資産での商品の購入 商品価格に消費税含む(課税) 譲渡価格に基づき所得計算

このように消費税は基本的に非課税ですが、利益が出た際の所得税計算は複雑になりがちです。利益が出ていない場合などでビットコインの確定申告不要となるケースもありますが、正確な損益計算を行いましょう。

仮想通貨の手数料には消費税がかかる

仮想通貨と税金書類

2017年7月以降、仮想通貨の売買における消費税の扱いは明確に分けられています。具体的には以下の通りです。

  • 仮想通貨そのものの譲渡(売買):非課税
  • 取引所などに支払う手数料:課税対象

ビットコイン 非課税とされていますが、仮想通貨 無税の範囲は本体価格のみです。手数料部分には税金が発生するため、コスト計算の際は注意しましょう。

取引所に支払う売買手数料

取引所に支払う売買手数料は、売買の仲介サービスに対する利用料です。これらは消費税法上の「役務の提供」に該当し、消費税が課されます。

仮想通貨 手数料 税金の関係においては、サービスへの対価として消費税が含まれるのが一般的。利用する取引所が課税事業者であれば、消費税の支払いが必要になります。

日本円の入出金にかかる手数料

日本円の入金や出金時に支払う手数料も、金融サービスの一環として消費税がかかる場合があります。特に取引所が提供する入出金サービスは役務提供にあたり、多くの場合で課税対象です。

ただし金融取引の一部では非課税となるケースもあるため、個別の確認が必要です。無駄なコストを抑えるためにも、事前のルール確認をおすすめします。

ウォレットへの送金手数料

ウォレットへの送金手数料は、その性質によって消費税の扱いが異なります。主な違いを以下の表にまとめました。

手数料の種類 課税区分
ネットワーク手数料(マイナー報酬) 非課税
取引所等のサービス手数料 課税

ブロックチェーン処理に伴うマイニング 税(ネットワーク手数料)は消費税の対象外です。各種手数料の扱いを正しく理解し、日々のコスト管理や確定申告に役立ててください。

適切な経費計上を行えば、利益状況によってはビットコイン 確定申告が不要となるケースもあるでしょう。

仮想通貨では消費税よりも所得税が高額になりやすい

仮想通貨取引において、消費税がいくらになるのか不安に感じる方も多いでしょう。しかし実際には、消費税よりも所得税の負担が大きくなる傾向にあります。

利益は雑所得に分類される

仮想通貨の取引で得た利益は、税法上の「雑所得」という区分。給与所得や事業所得とは別に扱われる所得です。

具体的には、以下のような場面で発生した利益が対象となります。

  • 仮想通貨を売却した際の利益
  • 商品やサービスの決済に使った際の価格差益
  • マイニングで得た報酬の税計算

国税庁もこの分類を明確に示しており、仮想通貨の利益は総合課税の対象です。

所得が増えるほど税率が上がる

雑所得として扱われる仮想通貨の利益は、他の所得と合算して課税されます。所得が増えるほど税率が高くなる累進課税制度が採用されています。

仮想通貨の税率は所得税と住民税を合わせて、15%から最大55%まで上昇。大きな利益が出た場合は、消費税よりもはるかに高額な税金を納めることになります。

株式投資の税制との違い

株式投資の利益は譲渡所得であり、分離課税のため税率は一律で約20%です。対して仮想通貨は雑所得のため、稼げば稼ぐほど税率が上がる点が大きな違い。

両者の比較は以下の通りです。

税の種類 仮想通貨(雑所得) 株式投資(譲渡所得)
課税区分 雑所得(総合課税) 譲渡所得(分離課税)
税率 15%〜55%(累進課税) 約20%(一律)
税率の変動 所得に応じて変動 一律
住民税 10%含む 10%含む

2017年7月以降、ビットコインの譲渡などは非課税となり、原則として消費税はかかりません。いわゆる仮想通貨無税の状態ですが、取引所の手数料には税金(消費税)が含まれる場合があります。

利益が少額でビットコインの確定申告不要なケースを除き、所得税の負担は重くなりがちです。消費税の有無よりも、まずは所得税の節税対策を意識しましょう。

仮想通貨の確定申告を行う手順

2017年7月より仮想通貨の譲渡は非課税となり、原則として消費税はかかりません。一方で利益には所得税などが課されるため、完全に仮想通貨が無税になるわけではない点に注意が必要です。

取引所へ支払う手数料の税金や、所得税などの扱いは以下のように異なります。

項目 税金の扱い
仮想通貨の購入・売却 原則としてビットコインなどは非課税(消費税なし)
取引所への手数料 消費税の課税対象となる場合がある
取引で得た利益 所得税・住民税の対象(雑所得)

以下では、正確な納税を行うための仮想通貨の確定申告のやり方について解説します。

①年間の取引履歴を用意する

確定申告を始めるために、まずは1年間の全ての取引履歴を準備しましょう。正確な損益計算を行うためには、取引所からダウンロードできる記録などに以下の情報が含まれている必要があります。

  • 購入や売却、交換の日時
  • 取引時の価格(レート)
  • 取引数量

これらの情報は計算の根拠となるため、漏れがないように大切に保管してください。

②ツールなどを活用して損益計算を行う

履歴が揃ったら、計算ツールなどを活用して正確な仮想通貨の税金シミュレーションを行います。仮想通貨の利益は、売却価格や使用時の時価から取得価格を差し引いて算出する仕組みです。

マイニングで得た通貨の税計算など複雑な処理が必要なケースもあるため、専用ソフトの利用をおすすめします。計算ミスを防ぐことで、スムーズに申告準備を進められます。

③確定申告書を作成して提出する

計算結果を基に国税庁の確定申告書を作成し、必要事項を記入してください。仮想通貨の利益は雑所得の欄に記載し、他の収入と合算して納税額を計算します。

会社員で利益が20万円以下であればビットコインの確定申告が不要な場合もありますが、要件を正しく確認しましょう。完成した書類は期限内に税務署へ提出し、追徴課税のリスクを回避することが大切です。

仮想通貨の税金負担を抑えるポイント

ビットコインロゴが大きく書かれた税金書類

仮想通貨取引にかかる税金の負担を減らすには、ポイントを正しく理解することが重要です。

税制の知識をもとに適切な対策を行うことで、仮想通貨の節税効果を高めましょう。

取引にかかった費用を経費にする

仮想通貨の売買で発生した手数料や諸費用は、所得税の計算において必要経費として認められます。これらを利益から差し引くことで、課税される所得金額を抑えることが可能です。

主に以下のような費用を経費として計上してください。

  • 取引所の売買手数料
  • 日本円などの入出金手数料
  • マイニングにかかる税金を計算する際の電気代

仮想通貨の手数料や税金の関係を整理するため、消費税の扱いを下表にまとめました。

取引の内容 消費税の区分
仮想通貨の譲渡(売買) 非課税(原則)
取引手数料などの役務提供 課税

仮想通貨の譲渡にかかる消費税は非課税ですが、手数料には消費税が含まれる場合があります。支払い明細をしっかりと管理することが大切です。

年末に含み損を確定させる

年末に仮想通貨の含み損がある場合、損失を確定させるとその年の利益と相殺できます。損失を計上することで全体の利益を圧縮し、課税所得を減らす方法です。

この仮想通貨の損益通算を行うには、実際に売却や交換を行って損失を確定させる必要があります。含み損の状態では経費にならないため、計画的な損切りを行いましょう。

ふるさと納税を活用して控除を受ける

所得税や住民税の負担を軽くするために、ふるさと納税を利用して寄附金控除を受けましょう。仮想通貨取引で利益が出て税金が増える場合、手元の資金を守る有効な手段となります。

ビットコインで確定申告が不要となる少額の利益でなければ、節税策の検討は欠かせません。寄附を行って控除を活用し、賢く資産を残してください。

2017年の法改正によりビットコインは非課税となり、売買そのものについては仮想通貨が無税の扱いになりました。しかし所得税などは発生するため、これらのポイントを押さえて適切に対策しましょう。

まとめ:仮想通貨は取引自体ではなく手数料に消費税がかかる

2017年7月以降、売買などの取引自体に関して仮想通貨に消費税はかかりません。取引そのものは仮想通貨無税の状態ですが、これは消費税に限った話です。

一方で、取引所に支払う仮想通貨の売買や送金にかかる手数料には税金として消費税が課されます。こうしたコストは完全な非課税ではない点に注意しましょう。

またビットコインなどの売買益やマイニングで得た利益は所得税の対象となり、消費税のように非課税ではありません。最大55%の税率適用もあり得るため、所得税への備えが重要となります。

本記事のポイントのおさらい。

  • 2017年7月から仮想通貨の譲渡は消費税非課税となっていること
  • 取引所手数料など仮想通貨取引に付随する費用には消費税がかかること
  • 仮想通貨利益は所得税の対象であり、2026年以降は税率が大幅に見直される予定であること

この記事を読むことで、ビットコインの収益に対して確定申告が不要なケースや必要なケースを正しく理解できます。正しい税務対応を知り、手元に残る利益の最大化に役立ててください。

まずは年間取引履歴の整理から始めてみてください。必要に応じて税務の専門家に相談することをおすすめします。