
仮想通貨投資企業「CoinShares」は3日、2024年のデジタル資産投資商品のグローバル純流入額が約4兆4200億円に達し、2021年の過去最高記録を大幅に更新したと 発表した。
特に、ビットコイン(BTC)とイーサリアム(ETH)への資金流入が顕著であり、暗号資産(仮想通貨)が長期投資対象としての地位を確立しつつあることを示唆している。
現在の仮想通貨市場は、市場環境の改善、規制の明確化、ブロックチェーン技術の普及により、機関投資家の関心が急速に高まっている。今回の報告は、仮想通貨が一時的なブームを超え、持続的な資産クラスとして受け入れられつつあることを裏付けるものとなった。
2024年の仮想通貨投資商品の総流入額は約4兆4,200億円となり、これまでの年間最高記録である2021年の約1,050億円を大幅に上回った。
CoinSharesの最新レポートによると、2023年の約2400億円から約20倍の増加を記録しており、特にビットコインの流入が大部分を占めた。
ビットコインは、2024年の流入額は約3兆8000億円。これは同年の総運用資産(AuM)の29%に相当し、2023年の約1900億円から20倍の増加となった。
イーサリアムは、年末の急回復を受け、約4800億円の流入を記録。これは2023年の約80億円から約60倍増の水準である。
リップル(XRP)は2024年に約438億円の流入を記録し、ビットコインとイーサリアムに次ぐ第3位の流入額となった。
マルチアセット型の投資商品が約257億円を集め、分散型投資戦略の需要の高さが浮き彫りとなった。
ソラナ(SOL)は約69億円の流入を記録し、成長が続くアルトコイン市場において一定の支持を集めた。
ETHを除くアルトコイン全体の流入額は約813億円となり、2024年の総運用資産の18%を占める規模にまで成長した。
2025年の仮想通貨市場も好調なスタートを切った。CoinSharesの報告によると、年初3日間で約585億円の純流入を記録。これは、機関投資家の仮想通貨市場への関心が引き続き高いことを示している。
CoinSharesリサーチ責任者のジェームズ・バターフィル氏は、「デジタル資産投資商品は、2025年の最初の3日間で585億円の流入を記録したが、2024年の最後の2営業日を含む1週間全体では75億円の純流出となった」と述べた。
機関投資家による仮想通貨投資の拡大には、規制の明確化と上場投資信託(ETF)の普及が大きな要因として挙げられる。
特に、米国証券取引委員会(SEC)が仮想通貨ETFの承認を進める中で、ビットコインやイーサリアムへの投資需要が高まっている。
Digital Ascension Groupのマックス・エイヴリー氏は、「議会と新政権からの明確なシグナルが、仮想通貨は今後も市場に残り、資産クラスとして真剣に考慮されるべきであることを示している」と述べた。
また、エイヴリー氏は「ETFの申請は今後も増加し、実用性のあるデジタル資産が多くの業界で普及しつつある。市場は成熟し、機関投資家の関心は今後も高まるだろう」と述べ、仮想通貨市場の今後の成長を予測している。
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