data.ai（旧App Annie），「ゲーム市場スポットライト2022」を発表。ゲーム市場の消費支出は2220億ドル（約28兆円）に達する見込み

　モバイルおよびデジタル市場データを統合データAIプラットフォームで提供する北米のdata.ai（旧App Annie）が，インターナショナル・データ・コーポレーション（IDC）と共同で作成した最新レポート「ゲーム市場スポットライト2022」を発表した。内容は大きく3つで，「2022年のゲームトレンド」「米国におけるゲーマーと広告マネタイズの深掘り」「主要テーマと重要ポイント」となっている。
　このうち，「2022年のゲームトレンド」から，いくつかのトピックをピックアップしたい。

　現段階で，2022年のゲーム市場における消費支出は2220億ドル（約28兆2151億円）に達し，前年に比べて大幅な伸びが見込まれている。原動力となったのはモバイルゲームの急成長だ。シェア全体の61％を占め，1360億ドル（約17兆2849億円）を超える見込みであるという。この数字は，2番目の規模を持つコンシューマ機市場の3.2倍で，成長率は，ゲーム市場全体の1.7倍になるとのことだ。

　全世界のダウンロード数は，新型コロナウイルス感染症（COVID-19）拡大前と比べて，1週間あたり45％増加し，11億以上のゲームがダウンロードされたとのこと。2022年第1四半期を見ると，消費者はiOSとAndroidのゲームに1週間あたり16億ドル（約2034億円）を支出し，COVID-19以前に比べて30％増加した。

　モバイルゲーム市場の成長を牽引したのはアジア太平洋地域，とくに中国だったが，北米およびヨーロッパ市場の支出も市場の約半分を占め続けている。
　携帯型のゲーム機市場ではアジア太平洋地域，とくに日本でNintend Switch Liteの人気が依然として高く，Valveが2月下旬に発売したSteam Deckの影響は比較的小さいものだったという。アジア太平洋地域でのPCタイトルも前年比でシェアを伸ばしたが，これは，地域全体でCOVID-19の勢いが弱まったため，ネットカフェに人が戻ったためと考えられている。
　コンシューマ機市場は，依然として北米およびヨーロッパが大きな消費シェアを誇っているが，レポートはその理由として，北米とヨーロッパ市場の強さというよりは，アジア太平洋地域での支出が減少したことを挙げており，半導体の供給不足によりPlayStation 5とXbox Series Xの出荷が追いつかなかったためだと見る。そのうえで，PlayStation 5とXbox Series Xがより広範に普及することで，2022年のゲーム市場はさらに拡大すると予想している。

　東欧情勢にも言及しており，ロシアでは週間のゲームダウンロード数と消費支出が減少し，2月以降，ロシアの消費支出におけるシェアは，50％から10％に急落したとのことだ。
　レポートでは、以上のほか，昨年を代表するモバイルゲームタイトルや人気ジャンルの変化，女性プレイヤーの増加，プレイヤーの世代別の動向など，さまざまな側面から「2022年のゲームトレンド」を紹介している。全文を読むには登録が必要だが，興味のある人はdata.aiの公式サイトにアクセスしてほしい。